「川崎市地球温暖化対策の推進に関する条例の改正に向けた重要施策の考え方(案)」についての意見(県消団連)

2022年12月18日

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 庭野 文雄

川崎市が、2050年の脱炭素社会の実現と、2030年度の市域の温室効果ガスの50%削減(2013年度比)を目標に掲げ、このたび「川崎市地球温暖化対策の推進に関する条例の改正に向けた重要施策の考え方(案)」を取りまとめられたことに敬意を表します。

今回提案されている重要施策が全国の自治体に拡大することを期待する立場から、以下の意見を申し述べます。

 

1.「(仮称)建築物太陽光発電設備等総合促進事業の考え方」について賛成します。

(該当箇所:第4章(仮称)建築物太陽光発電設備等総合促進事業の考え方(P49))

① 大規模な気象災害が頻発するなど気候危機は深刻化しており、またロシアによるウクライナ侵攻により、あらためて資源を他国からの輸入に依存することのエネルギー安全保障上の危険性と脆弱さが浮き彫りとなっています。世界的にエネルギー自給率向上とそれに向けた再生可能エネルギーの拡大は急務となっています。
② 第6次エネルギー基本計画において、2030年には新築戸建て住宅の6割に太陽光発電設備を設置することが目標とされている中で、自治体が太陽光発電設備設置義務化をすすめることは大変重要であり、他の自治体も川崎市を見本にして新築建築物への太陽光発電導入施策を実行していくことが望まれます。
③ 川崎市域の再生可能エネルギーポテンシャル試算では、2050年までに追加的に導入可能である再生可能エネルギー(+73万kW分)のうち、住宅用・事業用の太陽光発電が72万kWと追加分の約99%を占めていることを踏まえると、建築物に対する太陽光発電設備の促進施策の強化が特に重要だと考えられます。
④ 屋根および屋上への設置であれば自然を損なうこともないため、住宅用・事業用の建築物への太陽光発電設備の設置は最大限推進すべきだと考えます。

 

2.「(仮称)特定建築事業者太陽光発電設備導入制度の考え方」について賛成します。

(該当箇所:第4章(2)制度2(仮称)特定建築事業者太陽光発電設備導入制度の考え方」(P55))

① 太陽光発電設備は、個人でエネルギー自給を進めることができるほぼ唯一の手段であることから、温室効果ガス削減のみならず電気代削減や災害対策にも資する取り組みと言えます。
② さらに、今回検討されている制度の対象は、ハウスメーカー等の事業者や、大規模建築物の建築主であり、新規に家を建てるすべての市民に義務が課されるものではないことから、建築主の意向や個々の建築物の事情を踏まえることも可能であり特段の問題は生じないものと考えます。