「核兵器禁止条約」に署名・批准することを求めます
神奈川県生活協同組合連合会
代表理事会長 當具 伸一
人類が作り出した最も残忍な兵器である核兵器による広島・長崎における原爆被爆から74年目になります。
「ふたたび被爆者をつくるな」。この地球上から核兵器をなくすことは原爆被災者の悲願です。また戦争被爆の経験を持つ国として、日本は「非核三原則」の国是を堅持し、核兵器の惨禍を語り継ぎ、世界が二度と核兵器を使用することのないよう、核兵器の廃絶を実現するために主導的役割を果たすべき位置と責任があります。
国連総会が初めて、核兵器その他の大量破壊兵器の廃絶という目標を掲げてから、73年が経ちました。そして、核兵器不拡散条約の発効により、その締約国が誠実な核軍縮交渉の開始を約束してから、49年が経過しています。
核兵器の廃絶を求める声は、大きく強く高まっています。核兵器が使用されれば人道面で壊滅的な影響が生じることは共通の認識となっています。核軍縮そして核廃絶は理想主義者の夢ではなく、全人類の安全を真に守るために緊急に実現が必要な課題です。
既に2010年の国連安保理決議1887において、「核兵器なき世界」の実現は国際社会の目標と議決され、その後も各種国際的な場で、この目標は共有されています。
2017年7月7日、国連では122カ国の賛成を得て、「核兵器禁止条約」が採択されました。更に、2018年12月5日の第73回国連総会では、核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約の制定を歓迎し、各国に早期の署名、批准を求める決議案が126カ国の賛成で採択されました。核兵器禁止条約は、第1条で「核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、移譲、受領、使用、使用の威嚇」を全面的に禁止しており、画期的な内容を持つものです。
私たちは、この核兵器禁止条約が早期に発効することを心から願います。
日本政府はいつも言う「非保有国と保有国との橋渡し役」を、具体的な外交の中で実現してください。国民は、そういう国際貢献を求めています。
核廃絶への道は始まったばかりです。日本が核兵器禁止条約を批准し、早期発効につなげることが核なき世界への道を切り開きます。頑なに核軍縮を拒む核兵器保有国政府を動かすことは、日本政府こそができることです。
今年は、対人地雷条約20周年です。一つひとつ、人類の未来を守る輪を広げてください。