フードバンクかながわ 通信 17号(2020年4月)
特集 新型コロナウイルス感染症拡大防止で地域でおこっていること。
新型コロナウイルス感染症拡大防止の影響で、様々な食支援が求められています。
地域で何が起こっているか、フードバンクかながわの周辺を取材しました。
またすぐに食べられる食品(カップ麺、インスタント食品、缶詰、レトルト食品など)が不足しています。
フードバンクかながわに寄付することで、食品を必要とする人々を支援できます。今こそ、たすけあいの輪を拡げましょう。
フードバンクかながわが目指すもの
今日、日本の様々な分野において格差と貧困が広がっています。
日本の貧困率は15%を超え、先進国の中でも“貧困大国”といわれる深刻な状況にあります。経済的な格差の拡大に加え、地域コミュニティや家族関係の変容により、高齢者や子どもの貧困化をはじめ、社会的弱者の孤立化が進行しています。こうした事態に現在の社会保障制度や公的機関はセーフティ機能を十分に果たしきれていません。
その一方で、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品、いわゆる「食品ロス」が年間推計621万t(事業系339万t、家庭系282万t)も発生しているといわれています。
このように深刻化した日本の貧困化に対し、地域では市民同士のたすけあい、支えあいが様々に試みられています。今日全国的に広がりを見せている見守りや居場所づくり、フードバンクや子ども食堂といった取り組みもその試みのひとつです。
私たち協同組合、労働福祉団体、市民福祉団体は生産者・消費者によるたすけあいの組織であり、働く人々や市民同士によるたすけあいの組織です。
これらの組織が持つ食料の生産、流通の機能、人と人とが協同し相互扶助をはかるといったインフラと体制は、個人、諸団体、企業、行政等と連携することで今日の「貧困問題」「食品ロス問題」の解決の一端を担いうるものと考えます。
私たちは、個人や団体・企業から消費するには十分安全であるにもかかわらず廃棄されてしまう食料の寄贈を受け、支援を必要としている生活困窮者等に非営利団体を通じて適切に配るフードバンクシステムの確立をめざします。あわせて、この事業を通じ地域の「たすけあい」「支え合い」「分かち合い」、相互扶助の社会づくりをめざすとともに、社会の食品ロス削減に向けた意識の向上を図り、社会福祉及び資源・環境保全の増進に寄与することを目的に、一般社団法人フードバンクかながわを設立します。