令和3年相模原市議会定例会3月定例会議において「預託法等の改正及び執行強化を求める意見書」が全会一致で採択されました

2021年04月05日

令和3年相模原市議会定例会3月定例会議において、「預託法等の改正及び執行の強化等を求める意見書」が全会一致で採択され、国会、内閣あてに提出されました。
意見書は、2月10日に「『預託法等の改正及び執行強化を求める意見書の提出』に関する陳情」として、内閣総理大臣認定適格消費者団体・特定非営利活動法人消費者支援かながわ並びに神奈川県生協連から、市民文教委員会に出され審査を受け、3月24日の令和3年相模原市議会定例会3月定例会議第10日において全会一致で採択されました。
また、請願にあたり、阿部善博議員に相談に乗っていただきました。議員の皆さま、ありがとうございました。

預託法等の改正及び執行強化を求める意見書

近年、デジタル化の進展などによるデジタル・プラットフォームを活用した新たな消費者取引に係るサービス等が普及する一方、契約内容等を十分に理解していない消費者のぜい弱性につけ込む悪質な手口による被害の相談件数が増加している。
こうした状況を踏まえ、消費者庁が設置した特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会が取りまとめた報告書においては、特定の商品や施設利用権を一定期間預かり、利子などの財産上の利益を供与する預託等取引契約は、販売を伴う場合、消費者に甚大な財産被害を与えるおそれがあるため、特定商品等の預託等取引契約に関する法律(以下「預託法」という。)により原則禁止とすべきであると明記された。
また、同報告書においては、商品販売に際し、定期購入であることを容易に認識できないように表示することや、契約の解約や解除を不当に妨害する詐欺的な定期購入商法について、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)による執行を強化するとともに、新型コロナウイルス感染症拡大に不安を感じ、在宅時間が長くなった者に対し一方的に商品を送り付けた上で代金を請求する送り付け商法については、同法による規制の内容を周知することなどが必要であるとされた。
本市においても消費者行政の充実に取り組んでおり、報告書の内容を踏まえた早急な法律の整備等が必要であると考える。
よって、本市議会は、国会及び政府におかれては、悪質な商取引を未然に防ぎ、消費者の利益を保護するため、次の事項について特段の措置を講ぜられるよう強く要望するものである。

  1.  預託法及び特定商取引法の改正に向けた検討を早急に行うこと。
  2.  詐欺的な定期購入商法については、特定商取引法による執行を強化するなど適切な対処を図るこ と。
  3.  いわゆる送り付け商法については、特定商取引法による規制内容の周知を図るとともに、報告書 の内容を踏まえ、更なる制度的措置の検討を行うこと。
  4. 国及び地方公共団体が厳正かつ適切な法執行を行えるよう、執行体制や連携の強化を図ること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

相 模 原 市 議 会

国 会
内 閣   あて

令和3年3月24日提出

 

意見書の背景

消費者庁「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会(以下、検討委員会)」では、2020年8月19日に報告書がまとめられ、公表されました。

この報告書には、大きな社会問題となった豊田商事・安愚楽牧場・ジャパンライフ・ケフィア事業振興会・WILL(株)など、高齢者をはじめ、多くの消費者に財産被害を及ぼす悪質な販売預託商法については、本質的に反社会的な性質を有し、行為自体が無価値と捉え、「販売を伴う預託等取引契約の原則禁止等」と明記されました。

また、消費生活相談で増加している、お試しのつもりが定期購入問題は規制を強化、消費者の不安につけ込む、マスクなどの送り付け商法(ネガティブオプション)についても、何ら正常な事業活動とはみなされないものとして制度的な措置を講じる必要があるとされました。

この報告書の内容に沿って法改正が早期に進められることを望み、全国の消費者団体では弁護士会の皆さまとともに学習会や地方議会から国への意見書提出を働きかける取り組みが進められています。

神奈川県生協連でも消費者支援かながわ並びに神奈川県消団連とともに、2020年11月27日に消費者庁の笹路健取引対策課長に協力を頂きオンラインで緊急学習会を行いました。