第4次神奈川県食育推進計画(素案)に関する意見を提出しました(県消団連)
神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 庭野 文雄
神奈川県において、食育基本法及び国の食育推進基本計画にそって、平成30年に「第3次神奈川県食育推進計画」を策定し、関係機関、団体等と連携しながら、「食育」を県民運動として取り組んできたことに対して評価をいたします。
その上で、今回示された「第4次神奈川県食育推進計画」素案に対して、いくつかの点について検討を求めたく意見を述べます。
1.「食」の位置づけについて~「未病」との関連で
(該当箇所:P2 17行目ほか)
本計画策定の趣旨において、「『食』は未病を改善するための重要な要素であり、県民一人ひとりが食に関する理解を深め、健全な食生活を実践することが、生涯を通じた心身の健康につながります」と記述されています。
神奈川県として「未病」の改善に力点を置いていることは理解しているところですが、「食」について説明する際に「未病を改善するための重要な要素」だとする記述を最初に持ってくるのは唐突感を免れず、また「食」の概念を狭くとらえてしまいかねないと考えます。
むしろ、「『食』は国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に不可欠な要素であり、県民一人ひとりが食に関する理解を深め、健全な食生活を実践することが、生涯を通じた心身の健康につながります。」としたうえで、「神奈川県として重点的に取り組みを進めている『未病』を改善するためにも重要である」と付け加える形で記述をしていただいた方が受け止めやすいと考えます。
2.「みんなでごはんを食べることの大切さ」の呼びかけについて
(該当箇所:P5 下から3行目)
「家庭における食育を推進するため」、「子どもの夏休みにあたり家族で食事をする機会が増える一方で、生活が不規則になりやすい8月を『かながわ食育月間』と位置づけ」ると記述されています。
しかしながら、実際には、子どもの夏休みにあたり家族で食事をする機会が増える家庭ばかりではなく、親が働いている家庭などでは子どものみの個食が増える家庭も少なくないと考えています。配慮のあるバランスの取れた記述をお願いします。
3.朝食欠食割合の増加に関して
(該当箇所:P10 1行目から)
男女ともに朝食欠食の割合は高くなっています。報告書に記載のとおり、朝食を食べないと、午前中は体温が上がらないため体が目覚めず、脳のエネルギーが不足しているため週直や記憶力の低下につながります。
7-14歳の義務教育期間中の子どもにおいても増加しており、家庭では対応できない場合もあるものと推測されます。施策について検討が必要だと考えます。
4.神奈川県の農林水産業について
(該当箇所:P17)
神奈川県の農林水産業の現状について紹介され、「生鮮食料品を中心に高い生産力を維持し、消費者に提供されています」と記述されています。しかし、第3次計画時と比較し、生産量は、野菜で255万人分から234万人に、魚介類で73万人分から62万人分に減少しています。
「持続可能な食」が食育にとっても大事なテーマであることから、生産量として減少していることについては記述してもらうようにお願いします。
その上で、そのことを踏まえた施策を組みたてることが大切だと考えます。
5.食品ロスにかかる意識
(該当箇所:P18)
購入した食品を食べないまま捨ててしまうことがあると回答した人の割合が、第3次計画時と比較して増加しています。
近時、取り扱いが増加しているフードバンクの活動は食品ロス削減にも寄与するものです。食育、そして食品ロス削減の取組として位置づけ、情報提供と啓発をお願いします。
6.「持続可能で健康的な食事に関する指針」について
(該当箇所:P22 下の囲み記事)
7.指標及び目標値について
(該当箇所:P23の表の⑬⑭⑮)
8.子どもの居場所づくりと連携した食育の推進
(該当箇所:P36 1行目)
(1)地域での食育の推進をテーマとして県の取組として、「子どもの居場所づくりと連携した食育の推進」が項目としてあげられており大切な課題と考えます。
9.食を取り巻く環境への理解促進
(該当箇所:P47)
10.県民、団体、事業者等に期待される取組
(該当箇所:P49)
以上