[国際協同組合年記念協同組合全国協議会・一般社団法人日本協同組合連携機構] 2019年国際協同組合デーへのメッセージ

2019年07月04日

世界の協同組合が、協同組合運動の発展を祝い、さらなる前進を誓い合う日である「国際協同組合デー」(以下「デー」)は、今年は7月6日(土)です。国際協同組合同盟(ICA)が毎年7月の第1土曜日をデーと定め、1923年に第1回を祝ってから97回目、1995年に国連が国際デーの一つとして認定してから25回目となります。

今年のデーの世界共通スローガンは「協同組合は、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を実現します」です。このスローガンは2015年9月に国連総会で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)の目標8「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を促進する」に依拠するとともに、今年が国際労働機関(ILO)の設立100周年であることも踏まえています。

ILOは、「平和は、社会正義を基礎としてのみ確立する」とし、「不正、困苦及び窮乏を多数の人民にもたらす労働条件」の「改善が急務」として第1次世界大戦後の1919年に設立され、設立当初から人間らしい仕事を実現するための協同組合の役割を高く評価し、協同組合と密接に連携してきました。2002年には全加盟国に対し、協同組合を促進する措置を講じるよう呼びかける第193号勧告を行っています。

利益ではなく人を中心に置き、人々のニーズや願いを実現することを目的として、協同組合原則の第7原則において「地域社会の持続可能な発展のために活動する」ことを掲げる協同組合の目指すものは、SDGsの理念と重なり合います。なかでも、ディーセント・ワークに関し、協同組合は、全世界で生産者組合員、労働者組合員、職員を合わせて2.8億人の仕事を支え、我が国でも、農林漁業者・中小企業者の生業を支えるとともに、仕事おこしや困難を抱える人たちの就労支援、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

今年のデーにあたり、豊かで公正、そして持続可能な社会、そうした社会の不可欠の要素であるディーセント・ワークを実現する協同組合のこれまでの取り組みと期待される役割を改めて認識し、これからも、私たち協同組合が、志を同じくする多くの人たちとともに、力を合わせて取り組んでいくことを、ともに誓い合いましょう。

国際協同組合年記念協同組合全国協議会 代 表
一般社団法人日本協同組合連携機構 代表理事会長
中 家  徹

国際協同組合デーとは協同組合運動の発展と普及を進める記念日

国際協同組合デーは、全世界の協同組合員が心を一つにして協同組合運動の発展を祝い、平和とより良い生活を築くために運動の前進を誓いあう日で、毎年7月第1土曜日と定められています。

この国際協同組合デーは、協同組合運動の発展と普及を進める記念日として、当時の国際協同組合同盟(ICA)会長ゴードハート氏が中心となり、1922年10月ドイツ・エッセン市において開催されたICA中央委員会で討議・了承され、翌1923年、第1回国際協同組合デーが世界22力国の組合員によリ祝賀されました。以来、世界各国でさまざまな祝典、講演会、音楽会等の催し・イベントが行われています。また、1995年のICA設立100周年に際し、国連も同日を「協同組合の国際デー」と認定し、各国政府、国際機関及び協同組合組織等に向けメッセージを発信しています。

 

国際協同組合同盟(ICA)とは世界の協同組合の連合組織

1895年ロンドンで設立された世界の協同組合の連合組織であり(現在の本部:ブリュッセル)、世界各国の農業、消費者、信用、保険、保健、漁業、林業、労働者、旅行、住宅、エネルギー等あらゆる分野の協同組合の全国組織が加盟しています。2019年4月現在、ICAの加盟組織は109力国309団体、傘下の組合員は世界全体で約12億人であり、世界各国に協同組合運動を広げ、協同組合の価値・原則の普及と協同組合間の国際協力の促進、世界の平和と安全保障への貢献等を目的として、情報発信、国際会議・セミナー等の開催、国連機関等への提言・意思反映活動等に取リ組んでいます。

また、世界最大の非政府組織(NGO)として、国連経済社会理事会(ECOSOC)の諮問機関第1グループに登録され、2002年には国際労働機関(ILO)が「経済社会の発展において、協同組合は世界のどの地域においても極めて重要である。(193号勧告)」と協同組合の役割の重要性を認める勧告を発表しました。このように、協同組合、そしてICAは国際機関からの高い評価を受けています。

 

ILOと協同組合

ILOは、「世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができる」という信念のもと1919年に創設されました。憲章で協同組合の役割を評価し、国際協同組合同盟(ICA)と正式な関係を結び、1920年に協同組合部をつくり、初代事務局長アルベール・トーマはフランス協同組合運動の主導者で賀川豊彦氏とも会談しています。

ILOは、2002年協同組合の促進勧告(第193号)を採択しました。協同組合は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも取り入れられたディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の達成をめざすパートナーで、今年のILO100周年記念総会に供される「輝かしい未来と仕事」と題する報告書でもその役割に言及されています。

日本では、ILOは協同組合と連携し、今年で10回目となるアフリカ協同組合リーダーの日本研修を実施し、日本生活協同組合連合会の職員にILOの協同組合部門でご活躍いただいています。

「協同組合はディーセント・ワークを実現します」の下、両機関のさらなる連携強化が期待されます。

ILO駐日代表 田口晶子